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映像の裏側を見せる大胆な演出。Honda Dream Makers

映画のようなテイストで、あらゆる場面を切り取ったHONDAの新しい映像です。コンテ、実写、CGで各場面を構築していく過程をタイミングよく繋ぎ合わせ、斬新な映像に仕上がっています。

はじめは線で描かれただけのコンテに段々と色がつき、遠景のキャラクターも動き出してどんどんリアルな世界が作り上げられていきます。

赤い車からカメラが引き、CGでの工程が映し出されます。ワイヤーフレームからテクスチャが張られる前の状態、ライティングされる過程など、アニメーションはそのままにテンポ良く展開されていきます。

女性が列車から車に飛び移る瞬間、全ての絵が完成し、そしてはけていきます。ここで撮影スタジオも露になり車だけが取り残されますが、崖や列車が消えると、車に映り込んでいた物体も一緒に取り払われます。車だけになると、また最初のようにスケッチの状態に戻ります。

舞台は移り別の場面へ。ここでもスケッチ→着色されたアニメーション→撮影工程→完成映像を重ねながら映像が展開されていきます。




まるでUFOが男の子の自転車や周りのあらゆるものを吸い上げていくような、SFのような世界です。

次は追っ手からバイクで逃走する二人のシーン。崖に追い詰められ遂に警察に取り囲まれてしまいます。二人が抱き合っている周辺でも空の色が変わったり、雲や山が付け足されたりとコンポジット作業が進み、決まりのいいところで完成されたあとまたシーンが分解されてゆきます。

最後にはまた撮影スタジオが残り、スケッチの状態に戻ります。



最後にロボットが暴れ回る街を車が駆けていくシーンです。

このロボットはスケッチの段階でデザインがいくつも変わっていきます。その工程が観ていて面白いです。ロボットが進んでいく間にもCGで街が構築されていきます。看板が日本語で、日本の夜の都会を彷彿とさせます。

遂にCGとなったロボットと車が対峙します。ロボットの重厚感といい構図といい、ハリウッド映画のワンシーンのようです。

ロボットも車もスケッチになり、また白紙からホンダのロゴが描かれていきます。



はじめワイヤーフレームやグリーンバックを観たときはメイキング動画かと思うほどでしたが、完成後の映像だけではこの緩急ある映像は生まれなかったと思います。

映像が構築されていく様子は作り手でなければ普段なかなか見る機会が無いですが、こういう工程を経て完成されていくんだということが少しでも感じられるのではないでしょうか。

映像制作に携わる人もそうでない人も楽しめる、非常に斬新で面白い作品です。

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