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  • nishi

難しい情報を分かり易く、格好良く。Bloomberg IB

巧みなカメラワークと軽快なアニメーションで、難しい内容にもかかわらずひとつの映像として楽しめる作品です。

オフィスで誰かを待つ男性。おもむろに手元のタブレットを開きます。

タブレットを開くと、そこにはグリッド状の海を泳ぐ貨物船が。ここから投資に関するデータの世界が広がって行きます。

カメラが貨物船に寄っていき、海上にこの映像の主題とも言えるデータ・ニュース・分析の文字が現れます。情報化社会を連想させるようなグリッド状の世界で全体的にポリゴンの質感が残っているにもかかわらず、波のやわらかい動きが見事に表現されています。



波が硬い地面になり、カメラが回り込んで詳細なデータが表示されます。色分けと軽快な出現のアニメーションによって、多い情報量でも容易に視認することが出来ます。

場面は変わり、今度は街の中にデータボードが出現します。

寄りの画と引きの画をタイミング良く使い分けることで、映像に緩急が加えられています。

ここでカメラが地面の下へ回り込みます。そこには巨大なターミナルがあり、列車が勢いよく発車します。動画でみると本当に短い尺ですが、列車の表面に移りこむ街並みや加速する勢いがしっかり表現されていて、画作りに対するこだわりが感じられます。

列車が走り去るのとほぼ同時にデータボードにテキストが出現します。

本のページが閉じるようにグリッドの世界も閉じてゆきます。

カメラが引き、場面は再び冒頭のオフィスへ戻ります。

今までの世界は、全てこのタブレットの中で展開されている情報世界を表現したものでした。



このあとオフィスにもう一人男性が現れ、二人は握手をして取引が始まります。

全体的に黒を基調とした落ち着いた色合いに、データの文字には蛍光色を使うことで視認性を高め、メリハリの付いた世界観を実現しています。

整然としたテキストの配置やアニメーションの絶妙なタイミングなど、細かいところまで徹底して作り込まれているのが伝わってきます。こうした各所の細かい工夫のおかげで、複雑で多い情報量がスタイリッシュかつ簡潔に描かれた作品でした。

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